From:橋本公平 (大阪の事務所より)
こんにちは、橋本です。今回は制作会社への問い合わせについてのお話です。
ホームページをつくりたい、リニューアルしたい。そんな方がはじめて制作会社に問い合わせるとき、どんなことを聞きますか?
同業者は経験あり。開口一番の質問
かなり以前ですが、電話でのお問い合わせで、開口一番こんな質問を受けたことがありました。
「7Pのホームページ制作ならいくらでやってくれますか?」
自己紹介なし、どんなサイトかの説明もなし、ただ料金を聞きたいという電話です。
「料金のお話の前に、どんな業種のどんなホームページをつくりたいのですか?」と質問すると、「とりあえず料金を教えてくれればいいから」と具体的な話をしてくれません。しょうがないので、ふだん自分が受けているお仕事の価格帯をおおまかに伝えたところ、「あ、そうですか」とガチャリ。なんだったんだ今の電話は・・・としばし放心状態。
ページ数では見積りは出せない
これって制作側からすると、即答できない質問なんです。
一概に7Pといっても、具体的なコンテンツ考案は?文章は誰が書くの?写真は?スマホ対応?レスポンシブ?ドメイン・サーバーの準備は?自分で更新したいならCMSなどのシステムが必要です。これだけ並べただけでも、金額は大きく変わります。
7Pというのは具体的に感じますが、意外と漠然としてるんですね。その電話主は、ホームページはページ単価だとどこかで予備知識があったのだと思います。実際に見積りではページ単価で提示する会社もありますが、「作業にどれぐらい時間がかかるか」を基本にしてページ単価や一人工を設定しているので、スマホ対応、CMS機能が追加なら、作業量が増えて別に料金が発生してしまいます。
結果、料金だけ聞かれると「ページ数だけでは判断できません」という回答になってしまうわけです。
だから具体的にどうしたいのか伝えてくださいね、という要望ではなく、多くの方はどうしたらいいのかすら分かりませんよね。なので「7Pのサイト制作なら・・・」の質問はあってもいいです。言われたことしかしない制作会社には、それでも通用する場合もありますし。
でも、、、
ページ数でホームページ構成を決めるのは、意味がない
ぼくが一番気になるのは、そもそもそのコンテンツで適切ですか?ってこと。7Pと決めたのはなぜ?
サイト目的が問い合わせや売上げ貢献だとすると、はたしてその7Pで成果につながるのか?なにをもって7Pのコンテンツで良いと判断したのか。
ページ数ありきで問い合わせされる方によくあるパターンは、競合他社のサイトを参照し同じように考え、こんなもんだろう・・・と判断してしまうことです。他社サイトがうまく行っている前提で、参考にしてしまっています。でも、そのライバルサイト、ほんとにうまく行っているのでしょうか?うまくいってないのに、参考にしても意味がないですよね。
たとえうまくいっていたとしても、他社と同じターゲットに、他社と同じようなコンテンツで、他社と変わらないメッセージなら、顧客から見ると印象の残らないありきたりなサイトになってしまうのは明らかだし、後発サイトは運用での失敗成功のノウハウやデータの蓄積がないので、不利になります。
競合がいないのならそれでもいいかもしれないけど、そんな業界はありませんよね。競争の激しい業界や地域なら、他社より自社を選んでもらうのはたいへんです。
で、ぼくの方は差別化のために、他社にないコンテンツ提案をするわけですが、「これって他社はやってないですよね(だからやらなくてもいいんじゃない?の意味)」となぜか言われてしまう(笑)。他社がやってないこと、他社が面倒でやりたくないことだから、やる意味があるのに、平均化の方向に意識が行ってしまうわけです。
ちょっと話が逸れましたが、「7Pのホームページを・・・」と問い合わせを受けたときには、ページ数は脇に置いて、そもそものホームページの目的やつくろうと思った経緯、ライバルについて、ターゲットなんかを聞くようにしています。(金額は大まかには伝えますが、話ひとつで大きく変わるので、参考程度にしか言いません。)
7Pに至るまでのプロセスが大切
最終的に7Pになるのは、
- どんなことを伝えればお客さまに興味を持ってもらえるのか?何をリスク・不安・問題に思っているのか?という顧客理解
- 競合は誰に、どんな強みを、どのようにアピールしてるか?というマーケットの理解
- 競合と比較して、自社の強みはどこか?という自社の理解
- どんなメッセージがあれば感情に刺ささるのか?というメッセージ
のプロセスを踏み、コンテンツを整理することで決まります。
同じ7Pのホームページでも、これらを通過するかしないかで、成果は大きく変わってくるわけです。
競合を調査して自分でメニュー構成を考えるのは、積極的な行動で意欲を感じます。
ただ、もう少し川上の視点からホームページを考えていけば、もっと意味ある行動になりますよ。なかなか川上から考えるのは容易ではないので、そういう人のために僕のようなマーケティングコンサルタントがいるわけです。最後は宣伝みたいになっちゃいました。。。