From:橋本公平 (大阪のスタバより)
おはようござます、ウェブマーケティングコンサルタントの橋本です。
あるクライアント候補の相談に乗っていて、他社と差別化するためにいくつか商品アイデアを提案したことがあります。
ゼロからつくるというよりは、今ある商品を組合わす、入れ替える、引く、高級化するといった、比較的カンタンな方法です。
自分としてはその商品はかなりイケる感触がありました。他社はどこもやっておらず、見込み客の興味をもち、しかもアップセルやリピートにつながりやすいフロントエンド商品です。
これを「商品開発をやっていきましょうよ」と提案するための一例として、クライアントに投げてみたところ「それは売れません」と即答されました。
理由を聞くといろいろ言われましたが、つまりは「自分が欲しくないから」ということでした。話しの端々に「私なら」が何度も出てきます。
これは自社の商品やサービスに自信がある社長ほど、陥りやすい考え方です。
自分視点である限りは、お客さんに喜んでもらえない
あなたも「お客さま視点で考えろ」と聞いたことがあると思いますが、このクライアントの頭は「自分」になっています。自分なら◯◯、自分は腑に落ちないから◯◯・・・。マーケティングでよくある初歩的な間違いは、この「自分視点」に陥ってる場合がけっこう多いです。
「私」を基準に動いてしまうと、お客さんの気持ちとズレた行動になってしまうことがあります。もちろん「私=お客さん」のケースもありますが、私に合わないお客さんはすべて無視してしまう結果になります。
お客さんの気持ちはいろいろで、すべてを汲むことはできないので、みんなを満足されることはそもそも不可能です。でも、私ではない一部のお客さんがその商品を好きになってくれれば売上げが立つわけなので、やってみる価値はあるはずです。
それに「私は売れないと思う」と否定して可能性を狭めるぐらいなら、とっとと店頭に出してお客さんの反応を見たほうが、早く答えにたどり着けます。
その商売のプロであるクライアントはいろんな経験値や洞察を持っていますが、ぼくのようなド素人が俯瞰で見ると、「私=お客さん」の考えが行動の足かせになってることがあります。深い知識があればあるほど、客観視ってむずかしいものです。これはある意味仕方がないんですね。
なので、「私の視点」は棚上げしておいて、よくお客さんから質問されること、ちょっとした要望、いつも説明してることなど、お客さんの反応をいつも注意深く観察することが大切です。
業界の常識?それって、いらなくないですか?
そして、お客さん視点の他に、問題ある考え方としてよくあるのが、「他社がやってないから」「業界の常識じゃないから」があります。
ぼくの提案したその商品アイデアは、業界の常識からちょっと外れていました。ライバル会社がやってないので当たり前なんだけど、クライアントは業界が長く、悪い意味で常識の制限がかかっていて、違和感を感じるようです。
でも、その業界では非常識に見えることだって、実は別の業界では当たり前によくやってることだったりします。マーケティングの世界では「他業種の成功事例をうまく盗め」と言われますが、そのようにして業績を上げる会社はたくさんいます。
ホームページの制作時によくあるのが、ライバルサイトを参考にして、そのまま真似してしまうパターンです。ライバルがこんなもんだから、うちもそれぐらいで大丈夫だろう、と。
でもそれだと、他社と同じような商品を他社と同じようなやり方で、他社を同じような人に売ることになり、なかなか売れない結果になりますよね。
結局は、
違うことをしたくない、他社と同じことをしていれば安心という意識
があるんですね。
ぼく自身も、油断すると安全安心に安住するきらいがあります。でも、いろんな業種のクライアントと接していると、反面教師に感じる場面によく出会わせます。
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- 「私は好きじゃないし、常識外れだからからやらない」
- 「私は好きじゃないけど、私とお客さんはちがうし、他がやってないことだから行動してみるか」
2つのちがいは大きいと思いませんか。