From:橋本公平 (京橋のカフェより)
昨年末のことですが、タイ料理を食べにいきました。ぼくら夫婦が相当に気に入ってて、もうかれこれ5年ぐらい通っています(といっても年に数回程度だけど)。
いつものようにおいしくいただき、レジへ会計時に行くと、はじめて年間会員の入会をすすめられました。お店の人はぼくらのことを覚えているのかいないのか分からないけど、お客さん全員にすすめてるわけではなさそうです。
年1,000円ぐらい?の会費で、なにか特典やメリットを受けられるサービスのようです。正直、説明を聞いても年間会員がどういいのか分からなかったので迷っていると、レジの人に言われました。
「次回でもいいですよ」
そして、ぼくらは年間会員にならずに店を後にしました。
なぜぼくは会員にならなかったのか?ここに、このお店のセールスで良くない点、売上げ(この場合だと客単価とリピート数)を上げるためヒントがあります。
特に3つ目の理由はとても大切です。
メリットがよく分からない(店員がメリットをはっきり理解していない)
店員さんの説明を聞いていても、会員になることのメリットがはっきり理解できませんでした。
「年に4回以上ご来店いただくと、◯◯◯円分のサービスを受けられるので入会したほうがお得です。」「1回のお食事で4,000円以上の会計なら、もれなくタイの陶器をペアでプレゼントします。」など、年1,000円払うことで、自分にどんな得があるのか、具体的に説明してくれれば決断しやすいはずです。
これは勧める本人が、会員になることのメリットをはっきり自覚していない可能性が高いです。店長に「何度か来店されてお客さんに勧めてね」とだけ指示されているのかもしれませんね。
優良顧客として見てくれてるのか分からない
ぼくたちお客さんは、お店に大切にされていると分かればうれしいものです。今回はそれがはっきり伝わってきませんでした。
「いつもご来店いただいてありがとうございます。いま年間会員のお誘いをしていまして・・・(略)。すべてのお客様にお願いしてるわけではありません。いつもご愛顧いただいているお客様にしかお知らせしていません。」といった言葉をかけられたら、優待されてると感じませんか?
「あなたは一般の方とはちがい、自店にとって大切なお客さんです。好きだ!」と告白してもらってることになります。
20対80の法則に沿えば、上位20%の優良顧客が80%の売上げをもたらしてくれるので、価値あるお客さんとそうじゃないお客さんを一緒くたんにしてはいけません。優待したいお客さんには、その旨をはっきり伝える必要があります。
「次回でもいいですよ」と言われたから(セールスしないとお客さんは不利益になる)
ぼくが入会しようか迷っていると、店員は「次回でもいいですよ」と言ってくれました。一見、お客様のためを思っての言葉のように聞こえます。でも、それは本当の親切ではありません。逆に、お客さんに不利益を与えている行動なのです。
なぜかと言うと、得られるメリットを手に入れるチャンスをお客さんは逃してしまっているからです。おそらく年間会員になることで、お客さんにメリットがあるはずです。メリットがあるなら、売らないほうがお客様のためになりません。
売らないということは、会員であることより会員でないことのほうが、得しない状況をつづけることになります。
あなたは「遅れはセールスの死」という言葉を聞いたことはありますか?
「今」のタイミングを逃すと、お客さんは次に検討することはないと思ってもいいです。なぜなら、お客さんはその間にいろんな情報にさらされて、それを検討すること自体を忘れるからです。メリットを受ける機会をなくすことは、結果的にお客さんのためになってませんね。
年間会員のメリットがあるならば、入会したほうがいい理由(メリット)を知ってもらい、お客さんに得してもらうべき(セールスすべき)なはず。
あなたは、お客さんが商品やサービスを購入する決断を先延ばしにしてませんか?
もしかしたらそれは、お客さんのタメになっていないかもしれませんよ。
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以上3つの理由をお話しましたが、いかがでしたか?
これは店舗に限ったことではなく、ホームページでも同じことが言えます。3つのポイントをあなたのホームページやネットショップに当てはめて考えてください。