From:橋本公平 (難波のスタバより)
ホームページに限らず、企業の強みやウリは、ビジネス全体に必要不可欠です。強みがないと、お客さまは他社との違いが分からず、選んでくれないからです。
マーケティングをちょっとかじったことのある方なら、口酸っぱく耳にする「強み」「ウリ」「USP」といった言葉。それが大事なのはわかってる、けど強みがよく分からない・・・と感じている方は、正しい。強みって自分ではなかなか見つけられないものです。
なんとなく「ウチの強みは◯◯だろう」と目星はつくのだけど、それが本当に強みなのか自信がない。そう感じる方もいると思います。中には、これだ!と確信した強みが、まったく違っていたってこともよくあります。
強みが分かるとどうなるのか?
そもそも強みが分かるとどうなるのでしょうか?
- 強みに価値を感じるお客さんだけが来てくれるので、ムダなセールスがなくなります。
- WEBだけでなくあらゆる媒体で一貫性のもったメッセージを発せます。
- 一貫性のあるメッセージによって、ブランド力(安い家具といえばニトリetc)がつきます。
- 選んでもらえる理由を知っているので、成約率が上がります。
- 社内スタッフが強みを意識するので、やることが明確になり、ムダな仕事(苦手なことへの投資や)がなくなります。
- 迷った時は強みにかえり、この選択が本当に必要なのかを判断できます。
ビジネス全体の記述になってしまいましたが、いいコトずくめです。
自社の強みはたいてい間違っている
ドラッカーの有名な言葉です。
「誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思う。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。〜以下省略 しかし、何ごとかを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことができない」
『プロフェッショナルの条件』
なぜ間違っているのか。その一番の原因は、本人が主観的に「〜だろう」と推測しているからです。「裏付けがなく勝手に想像している」わけです。これまでの経験で「なんとなくそう感じる」といった程度なので、自信をもって打ち出すことができません。そしてドラッカーの言うように、間違っている可能性が高い。
強みはビジネスの核なので、それが間違うとマーケティング全体がとんでもない方向に進んでしまいます。
結局、知っているのはお客さん
じゃあどうすれいいかと言うと、お客さんに直接聞くことです。実際に購入してもらってることは、「他社ではなくて自社を選んでくれてる」わけです。なにかしら理由があるので、それが分かれば自社の強みも分かるはず。
自分たちだけでうんうんと悩んでいても時間のムダで、聞いてしまったほうがてっとり早いわけですね。だってお客さんが知ってるわけだから。
コンサルタントやマーケッターは、あなたの強みを発見することができるでしょうか?もちろん、あなたより顧客視点を持っています。ただ、ヒヤリングやいろんな情報から精度の高いポイントはつかめると思いますが、如何せん業者もお客さんではありません。たどり着いたとしても、実際のお客さまと比べると不確実です。
売る側の人間は、買う側の人間にはなれません。完全にはお客さんではない人が、お客さんの本当に心理にたどり着くのは容易ではありません。
「強みやウリは自分で探さない」「お客さんに教えてもらう」
これがいちばん確実な方法です。ちゃんとしたコンサルタントはそれを分かっているので、お客さんの声を収集し分析したり、優良顧客に直接ヒヤリングを行っています。
お客さんにどういう聞き方をすればいいのか?
では、どうやってお客さんに聞けばいいのか。
「ウチの強みって何ですか?」「当社のいいところって何だと思いますか?」と素直に聞いても、当たり前ですが「そんなの知りません」で終わりです。お客さんはあなたの商品やサービスを使って得られること(ベネフィット)にしか興味がなく、商品そのものや会社の強みなんて興味ありませんから。
では、こう聞きます。
「同じような商品・サービスがある中で、なぜ当社に決めていただいたのですか?」
つまり、決め手を聞きます。世の中の商品やサービスは、どれも似たり寄ったりです。でもお客さんは比較検討し購入を決定をします。
そこには確実に「選ばれる理由」があります。「選ばれる理由=強み」になります。強みは必ずしもひとつではありません。デザインを気に入る人もいれば、価格の場合もあります。保証期間が長いといったサービスもあるかもしれません。それらを集計し最大公約数になるものが、最大の強みになります。
うち(ブルーチップ)では、お客さまの声を集めるのにアンケート形式にしています。上記の質問を含め、合計5〜9つの質問シートにして答えてもらっています。自社の強みだけでなく、お客さんの心理をよく把握できるようになり、ホームページのコンテンツやコピー(文章)に役立っています。
できるだけ多くの声を集める
クライアントにお客さまの声を集めてください、とお願いすると、どれくらいの数が必要ですか?と聞かれます。「できるだけたくさん」と答えます。数は多ければ多いほどいいです。お客さまの声は強みの把握だけでなく、そのままホームページのキラーコンテンツにもなります。
- 取引先に見せるパンフ
- 社内スタッフに見せる
- 店頭や事務所に並べる
- DMやチラシなどの広告に載せる
お客さまの声は、あなたの強みや特徴を裏づける証拠になります。どんなに「うちの商品いいですよ!」と叫んでも、裏付けがないと説得力はありません。
そんなにたくさん見てくれないよ・・・と思われるかもしれませんが、それで構いません。人間というのは怠慢な生き物で、なるべくカンタンに早い経路で意思決定に至ろうとします。時間をかけて比較検討したり、複雑なことやこまごまなことを熟考しなくちゃいけない、というキツイ作業を省略したい。お客さまの声が読めないぐらい多ければ、「評価されている」「みんなに褒められてるから、この商品は大丈夫だ。」と感じ、あまり熟考する必要がなくなり、決定のハードルも下がります。</p>
まとめ
あなたも自分のことは自分がいちばん分かってる「つもり」になっているかもしれません。うんうんと悩むより、客観的な人(実際に購入されたお客さま)に聞くのがいちばん早い。強みやお客さまの心理が分かれば、見当違いな訴求をしなくてすみ、どういったコンテンツやコピーで発信すればいいのか見えてきます。
お客さまの声の活用で、自社の良さ・ウリを見つけてウェブサイトで活用していきましょう。