From:橋本公平 (より)
前回の記事は、リニューアルでやりがちな間違え5つを紹介しました。それらは考え方中心でしたが、今回は中身の話。といっても、レイアウトがどうの、ボタンの色がどうのといった要素的なものでなく、ベースの話です。
それは「今のホームページの問題点を把握する。」です。
今が分からないと、どう変えたらいいのかも分かりませんよね。でも、具体的に何がよくないのか見つけにくいものです。そこで、問題点をあぶり出す質問をご紹介します。これに答えることで、効果が上がますよ。
では、いってみましょう。
ターゲットが誰か分かりやすいか?
いまの時代、私たちはものすごい情報量にさらされて生活しています。ホームページの数だってハンパない。もうお腹いっぱいです。そんな状況で、どの情報が自分に関係しているのかが判断しにくくなっています。むしろ、情報を無視する能力が発達してると言ってもいい。
だから「うちのサイトはあなたに関係ありますよ!」と伝えてあげる必要があります。「みなさーん!」と叫ぶより「二日酔いのあなた!」と叫んだほうが、確実に振り向いてくれる可能性がありますよね。「具体的に誰に?」がはっきりしていないと、どういうった内容を提示すればいいのか分かりにくいし、メッセージがアバウトな印象になり、なかなか届きません。
例えば、アロマテラピースクールのホームページ。ターゲットはもちろん女性になりますが、広すぎますね。どんどん絞っていきましょう。何歳ぐらいの方に来てほしいでしょうか。30代とします。その30代の女性は独身ですか?既婚?子どもはいますか?既婚で子どもが幼稚園だったら、どんなライフスタイルでしょう?平日・週末は何をしていますか?どのようにお金や時間を使っていますか?
その人はアロマを趣味で楽しみたいのか、キャリアとして技術を身につけたいのか、どっちでしょうか?アロマについて既に知ってることは?どこからその知識を得た?アロマ以外で選択肢にあがるスクールは何でしょう?スクールに通わない判断なら、どんな要素がネックになりますか?決定の際に相談する人は?表には出さないけど密かに求めているものは?
というように、できるだけ具体的にしていきます。
ホームページをリニューアルしたり、コンテンツを考えるときには、伝えたい相手(見込み客)についてどれぐらい理解しているかによって、効果は大きく変わります。曖昧な人物像だと、見込み客に深く刺さるようなメッセージやコンテンツがつくれません。
あなたのホームページは、お客さまに自分のこととして認識してもらえますか?
見込み客にとってどんなベネフィットなのか提示しているか?
お客さまが何かを購入するのは、商品やサービスが欲しいからではありません。ちょっと意外ですよね。実は、商品やサービスを利用することで得られる「ハッピーなこと」が欲しいわけです。つまり、商品は手段やきっかけに過ぎません。
携帯メールは、メール機能そのものが欲しいわけでなく、メールを使って友達や恋人といつでもどこでもコニュニケーションが取れるから、みんな欲しいわけです。
このサプリを飲むとどうなるの?痩せますよね。でも、まだベネフィットではありません。その人の生活がどう変わるのか、まで掘り下げなければいけません。で、痩せてどうなるの?以前買ったお気に入りの服が着れるようになる。飲み会にすすんで参加したくなる。体調が良くなって毎日が活動的になる。といったことがハッピーなこと(ベネフィット)になります。
「うちの商品やサービスを買えば、こんなハッピーが待っていますよ」という結果を示してあげるのが、極めて重要です。今すぐチェックしてみてください。あなたのホームページは「Meメッセージ」つまり「私」が主語になっていませんか?
ポイントは「Meメッセージ」ではなく「Youメッセージ」に変換すること。「私は◯◯できます」でなく「あなたは◯◯になります」とあなたを主語にするとベネフィットを見つけやすくなりますよ。
自社の強みや誇れることを、具体的に掲載しているか?
「長年培ってきた技術とノウハウで、多くのお客さまに喜んでいただいています」。あなたのホームページ、特に重要なキャッチコピーでそんな文言があれば要注意です。これ、アバウトすぎて何も言ってないのと同じ。誰でも言えてしまうアピールです。
キーワードは「具体的」です。具体的でないと説得力が出ません。
「0.01mmも誤差のないプレス加工技術。25年間で約20万件のお客さまに提供してきました。そのうち92%のお客さまがリピートしてくれてます。」
ちょっと説得力が出ましたか?
ポイントは「社名を変えても通用してしまうか?」。通用してしまうなら要検討です。具体的であればあるほど、他社にはない独自の情報として説得力が増し、信用につながります。社名を入替えても通用する情報は、見直すべきです。
今のホームページをチェックしてみてください。そして、引っかかった文言でもっと具体的にできないか考えてみてください。
なぜ自社を選べばいいのか。その証拠は提示しているか?
A「オレって、学生の頃ボーリングうまかってんで」
B「へー、スコアどれくらい?」
A「あん時、サークルの中で一番やってん」
B「で、最高スコアは?」
A「いくつやったかなぁ。ちょっと忘れたけど、とにかくスゴかってんー!」
証拠を提示しないコヤツ、信用できますか?
同じように「うちの商品やサービスはスゴいです。信用してください!ぜひ!」とだけアピールされても、ちょっと信用できませんよね。自分の強みを認識しているのはいいけど、証拠のない強みは説得力に欠けませんか?
具体的にどんなものが証拠になるかと言うと、、、
- お客さまの声(第三者の声)
- 実績数
- 有名な会社や著名人への提供例
- 権威のある方(教授や医師など)からの推薦
- 貢献度(売上げアップや満足度)
- メディアの紹介
- 資格、受賞歴
- デモンストレーション(動画など)
- ケーススタディ
など。
多くのホームページは「こんないいことがありますよ」と約束はしていますが、その約束が果たされる証拠の提示が不十分です。
第三者の客観的な証拠は、あればあるほど信用につながります。出し惜しみなし!でいきましょう。
キャラクター(人間性)が出ているか?
あなたのホームページに、誰一人として自社の人間が出ていないなら、ダメダメレベルが高いです。中にはフリー写真の美男美女モデルを使用しているサイトもあります。
でも、ちょっと想像してください。
ホームページの活動は、リアルな営業活動をWebというメディアで行っているのに近いので、自社の人間でなく第三者に登場させるのは、外部のモデルさんを代わりに営業に行かせてるようなものです。あり得ませんよね。
お客さまは、会社の雰囲気や実際にサービスを提供する人を知ることで、安心を感じます。顔の分からない人より、分かる人に連絡したいと思うのは当然の心理です。
楽天ショップなんかは、オープンするとアドバイザーが1人つきますが、必ずといっていいほど「店長の顔と自己紹介を載せてください」とアドバイスされます。これも同じ理由です。
ぼくのクライアントは至るところで顔を出してます。ちょっとしつこいほど登場していますが、お客さまに「ホームページに載ってた人だ」と親近感を感じてもらえるようです。
大手は公式サイトではそれがなかなかできませんが、ソーシャルメディアで人間性を出してる企業も多いです。小さい会社なら社長さんが率先して顔を出し、サービスにかける想いであったり、専門分野を語ったりし、広告塔になることも大切です。いま勢いのあるベンチャー企業の多くは、社長の顔や人間性がはっきり出ていますね。
以上、5点に絞りましたがいかがでしょうか。リニューアルや改善を行うときにチェックしてみてください。