問題点の把握
基礎体力のないWebサイト
万歩計の平均値2300歩。ぼくのような運動不足の人間が、突然マラソンを走ったらどうなりますか?
おそらくすぐに息切れし走れないどころか、翌日には筋肉痛はもちろんひどい膝痛で、1日中バタンキューのはず。そんな状態でライバルランナーに対抗するなんて無謀ですよね。
これをホームページに戻すと、「基礎体力のないサイトが、ライバル企業と戦おうとしている」になります。以前のサイトはまさにそんな状態でした。
もう、「ないない」づくし。
実はいまでも基礎体力不足のサイトはたくさんあります。体力がないのにデザインだけ変更したり、部分的に修正してみたり・・・。トレーニングしないのに、ウエアやランニングシューズを買い換えるようなもの。それでは同じステージで戦うことはできません。
戦略・企画
ライバルが弱ければ、
ちょっと体力をつけるだけで勝ててしまう
以上のような問題以前の問題のため、
このクライアントのリニューアルでは、まず基礎体力をつけることを第一にしました。
サイトの基礎体力ってなに?
ホームページの基礎体力って何でしょう?まずそれは情報量です。
情報量が少ないのは、ほとんどの場合よくありません。なぜなら判断材料が少ないからです。見た人はその情報量の中で「ほんとにいい会社だろうか」と判断しなければなりません。いっぽう他社で何倍もの情報が載っていれば、判断しやすくなります。
閲覧者は「サイトに載っている情報が、その会社のすべて」と認識するきらいがあるので、載せてない情報はたとえあなたが心で思っていても存在しません。「愛してるって言ってくれないと伝わらない」と女性がよく言いますが・・・。
ある一定レベルに達していないホームページは、まず情報量を増やすことが先決です。といっても閲覧者の心理を無視した一方的な情報ばかりでは、量はあっても興味や行動につながりません。
コンテンツマーケティングだ!とうるさい昨今では、情報の質が求められています。情報の質というのは、閲覧者(見込み客)にとって有益であったり、問題解決につながる情報のことです。コンテンツの「量から質へ」の傾向は、今後ますます大きくなっていきます。
でも基礎体力をつけるだけで、うまくいくの?
例として別業種のおはなしを。
高知県のある整骨院は、まったく宣伝しなくても1日100人以上のお客さんが来ているようです。その整骨院はすごく腕がいいわけではありません。院長が特別に顔が広いわけでもありません。では、なぜそんなに患者さんが来るのでしょうか?
その要因は、ライバル店の数です。ライバルが少ないということは、競争力がいりません。院の存在自体に価値があるわけです。ライバルが少なく、それらを少し上回れば、勝つことができます。
それと同じようなことが、ビルメンテナンス業界にありました。リニューアル当時はホームページを持つ企業は多くいたので、上の整骨院の例と少しちがいますが、ほとんどが基礎体力のないサイトでした。それらを出し抜くには、たいへんな労力を必要としません。ちょっと体力をつけるだけで成果につながります。
強みは相対的なもの
自社の強さはライバルによって決まります。ライバルが弱くなれば強くなる、強くなれば弱くなる。強みは相対的なものです。
そんなビルメンテナンス業界も、次第にホームページ集客に力を入れる会社が増えてきます。ライバルが体力をつけてきたわけです。そうなると、基礎体力だけの勝負では優位的安定を保てません。マーケティング視点の体力をつけていく必要があります。
(それ以降の具体的な記述は割愛します・・・)
制作・開発
ターゲットはどんな人?
フツーをこころがける
なるべく迷わせない
ターゲットは、ビルや店舗のオーナーさんです。オーナーさんの日常は忙しい(のんびりなイメージですが、実は仕事がいっぱいです)。彼らの業者探しを想像すると、迷わせるレイアウトはアウトです。しかも、ビルオーナーは年配の方が多いはず。
そんな人に対して、ちょっと変化のあるレイアウトやギミックの効いた機能は必要ありません。いたってフツーのレイアウトが最適なわけです。
レイアウトで迷わないことは、意識はされないですが安心につながります。いつも歩いている道は迷うことがありません。そんなレイアウトを心がけています。
今後の課題
今後の課題はセグメント
このサイトは会社の事業内容を分類して紹介している、いわばコーポレートサイトとしての要素が強く、セールスとしては弱いコンテンツになっています。もっと集客に力を入れようと思うと「いろんなサービスをやってますよ」よりは「このサービスならお任せを」という訴求が必要になってきます。
つまり、ターゲットを絞った特定のサービスだけの独立サイトがあると、ニーズが捉えやすくメッセージも届きやすくなるはずです。
本体(コーポレート)サイト
|_サービスAの独立サイト
|_サービスBの独立サイト
|_サービスCの独立サイト
といった形です。実際、このような細分した特化サイトをいくつか展開し、うまく集客しているクライアントもいます。
ひとつのサイトで集客しようと思うと「なんでもできますよ」サイトになります。それは裏返すと「なにもできない」サイトになりかねません。競合のマーケティング力が高まってくると、そのような多サイト展開も必要になってくるはずです。