問題点の把握
存在するだけのホームページから
集客するホームページへ
クライアントさんがご自分でつくられたホームページは、有料のwebサービスのテンプレートを使用した簡単なものでした。
競合調査をすると、信頼性抜群の大阪ガスをはじめ、全国展開している大手企業ばかり。価格、ラインアップ、スピード、サービス対応範囲など、多くの点で劣勢の状況でした。また、大手企業のホームページはコンテンツが充実しており、SEO的にも太刀打ちできません。
この難局をどう切り抜けるのか!?
競合が大手ばかり、自社は小規模。規模も認知度も価格も勝てない。そういう方は参考にしてください。
戦略・企画
個人事業という弱みを強味に変える
まず、自社の強み(らしきもの)を知るために、何度もヒヤリングしました(音声データだけでも10時間)。社長のストーリー、過去のお客さんの傾向、技術、業界特有の利益構造、ここでは語れないような悪どい業者の話などもいろいろ聞くことができました。(あと、ぼくに子供が生まれたばかりだったので、先輩パパとしてアドバイスもたくさんいただきました。)
そして、競合サイトをくまなく調査します。さまざまな項目を照らし合わせ、クライアントの勝てそうな要素を拾っていきます。
さらに、それらが顧客が求めているものに合致するかを検証します。自社、競合、顧客をぐるぐる回して探していくのですが、顧客が最優先するものをクライアントは競合と比べて、少し劣っていました。
それが、、、
- スピード(給湯器が壊れるので緊急性が高い)
- 価格(大手とくらべて若干高い)
- 対応力(基本1人だから限界がある)
これらで勝負すると、大手に歯が立たない。だから、ちがう要素を見つける必要があります。
弱みをどう強みに変えられるか
クライアントには1つ大きな特徴がありました。ただ、単に「技術力が高い」とアピールしても、そもそも顧客は、給湯器の工事に難易度があることを知りません(ぼくも知りませんでした)。なので、これを響かせるにはヒネリが必要になります。
さらに、大手と比較して知名度や信頼性がありません。これをクリアするために、「個人」という弱点を逆に強みに転換することにしました。それが見込み客の中にある「業界への不信感」です。
ガス関連の業者には、ちょっと怪しいイメージがついています。クライアントは個人事業なので、社長1人の人間性に安心感を抱いてくれれば、その怪しさは軽減されるのではないか?ということで、社長のキャラを全面に押し出し、安心いただくコンテンツや「問い合わせ〜工事までぜんぶ1人でやりますよ」といった、大手ではできない訴求に至りました。
広告を出す予算がない、でもSEOでは弱すぎる・・・
先述のように、ガス業者は大手がひしめき合う状況で、普通に「ガス給湯器 交換 大阪」といったキーワードでの検索上位は見込めません。では、広告はどうかと言うと、ガス給湯器の繁忙期は冬。多くの業者が広告を出すので単価が高騰します。クライアントにはそれに対抗できる費用を捻出することができません。オーガニックを集客の中心にせざるを得ません。
その解決策のヒントは、クライアントの技術力にありました。詳細は割愛しますが(笑)、かなり少ない検索ボリュームでリーチすることができています。
制作・開発
個人事業だからできる、
思い切りのいい顔出し・キャラ出し
とにかく顔出し。60人の社長。
クライアントはひとりガス屋であること。そして、家に見ず知らずの他人を入れることの抵抗感、不安感をなくしてもらうために、あらゆるページに社長に登場いただきました。その数、60枚。60人の社長がホームページを構成してくれています。少しくどい印象もありますが・・・。
最初、社長は顔出しを躊躇していたものの最終的には承諾いただきましたが、こんなに出されるとは思ってもいなかったようです。
トップページだけで会社のあれこれを確認できるように
給湯器が壊れるのは突然が多いとのこと。緊急性が高いので、トップページだけである程度の情報を得られ、判断できるように構成しています。ダイジェスト的な役割でしょうか。ターゲットである女性はネットリテラシーが低い傾向にあるので、その形はマッチしています。
今後の課題
コンテンツの充実とスマホ対応を
スモールワールドでの流入はあるものの、やはり長期的にビックキーワード寄りでも上位に行くには、継続的なコンテンツの充実が必要になります。
また、初期制作費に限度がありスマホ対応ができていません。この対応でもっとリーチできる可能性があります。